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ある男と自殺論1

人は突然自殺をしない

今日もしこたま酒を飲んで
今日の嫌悪を明日に持ち越すまいとしている
まだ明日も生きようとしているに違いない
そう考える半分で
いつか死んでやると思っている

誰のために?
何のために?

自殺を試みるとき
ふと浮かぶのは
綺麗な自然だったりする

人生のどこかで見たのだろうか
もうどこで見たのか記憶の欠片を辿ることすらできない景色がふと巡る

人は突然自殺をしない

ずっと苦しさを発信している
その大小はある
「もうダメだ」と涙を流す人と
「おはようございます」といつもと変わらない言葉を交わす人と

しかしどんな人でも
苦しさの果てには自分のために自殺する
これ以上の苦悩はないと思い
自殺する

その行動は突発的かもしれないが
思いは充分周囲に伝えてきたと思っている

死を免れない
今日も何かを発信している